昔は
「『抱き癖』がつくから、抱っこはしなくていい」
と言われていましたね。
私も物心ついた時から、両親から
「大好きだよ」
と抱きしめられた記憶はありません。これは30代から上の世代の方々は、ほとんどそうだと思います。
なぜ抱っこをしないように言われてきたのかと、よく分析されていますが、やはり
『厳しく育てる』
ことが前提だったおかげでしょうね。
泣いたから抱っこすれば甘やかしていることになるから、と思われていたのと、昔のお母さん方は忙しかったから赤ちゃんが少々泣いたところで抱っこしてあやす暇がなかった、といった説がありますね。
私自身も大型ショッピングモールでショッピング中に全く見知らぬご婦人から
「『抱っこ』と言われて、すぐに抱っこしてはダメよ。抱きグセをつけちゃいけません」
と諭されるように注意された経験があります。
理由は何であれ、抱き癖がつくといけないという説は科学的根拠は一切なく、むしろ今は「たくさん抱っこしましょう」
と言われています。
私が出産した産婦人科でも、院長先生も看護師さん(助産師さん)も全員が口を揃えて
「たくさん抱っこしてあげて」
とおっしゃいました。
看護師さんに教わったのは
「欲しい物を無限に与えるのは甘やかしだけど、情緒的な求めに応じるのは甘えさせていること。情緒的な甘えは100%応じてあげて」ということ。
甘やかしは悪だけれど、甘えさせることは悪ではないとおっしゃっていました。
我が子は可愛かったので(親バカです、ごめんなさい)とにかく抱っこしていました。
ですから、我が子も抱っこされることが大好きでした。
1歳過ぎる頃には、ベビーカーを準備し始めると
「乗らない!」
と言わんばかりに、ぷんぷん怒ったりしていました。
スキンシップは十分過ぎるほどだったと思います。
今は随分成長しましたが、つらい時や悲しい時は、自然と泣きながら抱きついてきますし、私も躊躇なく抱きしめています。
そして泣いている我が子を抱きしめながら、我が子が徐々に落ち着き、抱きしめている私も落ち着くことに気付きました。
十分に甘えさせたからといって、我が子が弱い子だとは思えません。
むしろ、他人の心の動きにも敏感で、柔軟性もあり、強い子に育ってくれていると感じます。
お子さんは、たくさん抱っこしましょう。